ソニーの格安SIM・nuroモバイル徹底解説2019
今回は、ソニーの格安SIMであるnuroモバイルの徹底解説です。
1.nuroモバイルとは?
ソニーのスマホと言えばXperiaですが、iPhoneに次ぐ人気のスマホで、ガラケーの頃からのコアなソニーファンが人気を支えており、一般的にも根強い人気があります。
今回ご紹介するnuroモバイルですが、ソニーネットワークコミュニケーションズが2016年10月からスタートした格安SIMサービスです。
実は、それ以前にもso-net(ソネット)というブランド名で格安SIMサービスを提供していましたし、さらに遡ればso-netはインターネットプロバイダーとしても老舗のブランドです。
so-netの時代からドコモから回線を借りて格安SIMサービスを提供していましたが、2017年12月からソフトバンク回線での格安SIMサービスもスタートし、ドコモ回線とソフトバンク回線の2つから選べるようになりました。
料金プランについても詳しくは後述しますが、0円から利用できる「0SIM」というプランや通常の容量ごとのプランの他に、5時間/日高速通信が利用できるといった利用時間による「時間プラン」の設定があるなど、ユニークな料金プランもあります。
さらに、2017年11月から格安SIMで唯一となるXperia XZ Premium(SIMフリー版)の取り扱いを開始するなど端末ラインナップもソニーらしさを強調してきました。
2. nuroモバイルのメリット・デメリット
〇メリット
- 料金プランの設定が細かい(ドコモ回線のみ)
- 格安SIMで唯一Xperiaをセット販売しており分割購入も可
- Xperiaを選択した場合のみプレミアム帯域オプション(2,000円/月)が選択でき快適な通信速度で利用できる、上り通信に関しても使い放題(アゲ放題)となる
- 0円/月から利用できる0SIMという料金プランがある(音声プランは700円/月から利用可)
- 1日5時間高速通信可能、AM1時~AM6時までの深夜の時間帯のみ高速通信が可能といったユニークな料金プランがある(時間制プラン)
- ソフトバンク回線が選べるので、ソフトバンク版のSIMロックがかかったiPhone・iPadを格安SIMで利用することが可能
- ソフトバンク回線はまだ利用者数も少ないことからドコモ回線と比べて速度が出やすい(実際に速い)
〇デメリット
- 通信速度が他の格安SIMと比べても遅い(ソフトバンク回線も利用者が増えるとドコモ回線と同じ速度水準となる可能性があるので要注意)
- 通信速度制限が厳しい(いまだに3日間通信量制限がある)
- 料金プランが2GBから1GBで10GBまでときめ細かい
- 1日5時間高速通信可能
- ドコモとauでは後継のXperia XZ2 Premiumが発売されており、32,000円オフのキャンペーンがあるとはいえ、型落ちとなったXperia XZ Premiumが67,800円の値段は微妙
- Xperia XZ Premiumを購入した場合のみ加入できるプレミアム帯域オプションは、実はそこまで通信速度が速くない、時間帯によっては一般プランと同等の速度まで落ちるケースがある(大手キャリアと同等にはならないし、ワイモバイル・UQモバイルといったサブブランド勢にも劣る)
- ソフトバンク回線の料金プランがなぜか貧弱(音声・データプランとも2種類ずつしかない)
3. nuroモバイルの料金プラン
それでは、nuroモバイルの料金プランです。
ドコモ回線 プラン
容量 | データ専用 | データ+SNS | 音声通話 |
2GB | 700円 | 850円 | 1,400円 |
3GB | 900円 | 1,050円 | 1,600円 |
4GB | 1,100円 | 1,250円 | 1,800円 |
5GB | 1,300円 | 1,450円 | 2,000円 |
6GB | 1,500円 | 1,650円 | 2,200円 |
7GB | 1,700円 | 1,850円 | 2,400円 |
8GB | 1,900円 | 2,050円 | 2,600円 |
9GB | 2,100円 | 2,250円 | 2,800円 |
10GB | 2,300円 | 2,450円 | 3,000円 |
〇各種オプションサービス
- nuroモバイルでんわ(専用アプリ経由の発信で10円/30秒):無料
- 10分かけ放題オプションサービス:800円/月
- データ前借りサービス:無料
- データ容量チャージ:100MB/400円、500MB/600円、1GB/1,000円
- パケットギフト:無料(ドコモ回線同士、ソフトバンク回線同士の組み合わせのみ利用可)
- 端末補償:500円/月(1回目5,000円、2回目8,000円、3回目以降実費負担、Xperia XZ Premiumの場合は1回目15,000円、2回目20,000円、3回目実費負担)
- 訪問サポート:8,000円/回
- 遠隔サポート(電話でのサポート):3,000円/30分
- i-フィルターforマルチデバイス(フィルタリングサービス):330円/月~
- グローバルWifi(世界200ヵ国以上で使えるWifiルーターレンタルサービス):受け渡し手数料無料、利用料金15%オフでレンタル可
- キャッチホン/割込通話:200円/月
- 留守番電話/留守番電話プラス:300円/月
- 転送電話:無料(通話料は別途必要)
- 迷惑電話ストップサービス・ナンバーブロック:ドコモ回線無料、ソフトバンク回線100円/月
〇「0SIM」について
データプラン0円/月、音声プラン700円/月スタートで500MBまで利用できる、500MB~2GBまで100MBごとに+100円、2GB~5GBまでは1,600円の定額(音声プランは2,300円の定額)
今のところ、速度が速いと評判のソフトバンク回線ですが、下記のとおり、ドコモ回線と比べると料金プランの貧弱さが目立ち、大きなデメリットといえます。
容量 | データ専用 | データ+SNS | 音声通話 |
2GB | 980円 | - | 1,680円 |
3GB | - | - | - |
4GB | - | - | - |
5GB | 1,780円 | - | 2,480円 |
6GB | - | - | - |
7GB | - | - | - |
8GB | - | - | - |
9GB | - | - | - |
10GB | - | - | - |
ただし、選択する人が多そうなデータ容量2GBと5GBがあるのは救いといったところでしょうか。
また、端末ラインナップについては、nuroモバイルと改名された当初は貧弱でしたが、2019年現在では、型落ちとはなりましたがソニーのフラッグシップ機Xperia XZ Premiumをはじめ、中国Huawei製や台湾ASUS製のSIMフリーAndroidスマホなど計13機種とSIMフリールーター1機種とかなり充実してきました。
ただし、iPhoneのラインナップはありませんのでご注意ください。
4. 1日5時間高速通信できる時間プランは本当にお得なのか?
前述のとおり、nuroモバイルには、他の格安SIMにはない1日5時間高速通信ができるという非常にユニークな料金プランがあることで話題となっていますが、本当にお得なのでしょうか?
時間制プラン
容量 | データ専用 | データ+SNS | 音声通話 |
5時間/日 | 2,500円 | 2,650円 | 3,200円 |
深夜 | 1,500円 | 1,650円 | 2,200円 |
※深夜割(AM1:00~AM6:00)
そもそも、この5時間という時間はどのようにカウントするのでしょうか?
高速データ通信が開始されたとnuroモバイルのサーバーが判断した瞬間から、この5時間のカウントが始まり、1秒単位の積算ではなく、実は、5分単位の積算方法となっているのです。
この5分単位の積算が問題で、例えば、1分間動画を視聴して、スマホをスリープした場合、5分間高速通信を利用したことになってしまうのです。
よって、1日5分間60セットの計5時間というシステムとなっているのです。
以上の理由から、1日5時間使い放題だと思って、いざ利用してみると、思いのほか高速通信が可能な時間が短いと感じてしまうかもしれません。
逆に、普段、勤務先のオフィスや自宅などWifiの下で過ごす時間が多い方には、1日5時間という時間縛りは使い勝手の良いプランと言えるかもしれません。
ただ、メインとして音声プランで利用するとなると、毎月3,200円+通話料となるため、実際に利用して請求書が届くと思いのほか高額な利用料となっている可能性があり、大手3キャリアと大差ない金額となってしまう可能性があります。
また、深夜の時間帯のみ高速通信が可能となるプランも、昔のインターネット黎明期にあったアナログ電話回線のテレホーダイ(夜11時から翌朝6時まで定額)を思い出させるものですが、この用途がマッチする方にはおすすめです。
また、2019年現在、他に似たようなプランを出している格安SIM事業者もいませんので、唯一の選択肢となりますね。
5. nuroモバイルのXperia XZ premiumは本当にお得なのか?
次に、nuroモバイルの端末面でのウリであるSIMフリー版のXperia XZ premiumについてです。
ドコモとauから後継機種のXperia XZ2 premiumが発売され、SIMフリー版のXperia XZ premiumは型落ち機種となってしまいました。
そのせいか、現在、nuroモバイルでは、当初の金額から32,000円オフの67,800円(一括価格、分割払いも可能)で販売しています。
nuroモバイルで24回の分割払いで購入したとしても、初回3,749円、2回目以降3,000円の端末代となります。
少し前述しましたが、ソニーのフラッグシップ機とはいえ、型落ちとなったスマホにSIMフリー版とはいえ、7万円近い金額には少し違和感を覚えますよね。
もともと、このXperia XZ premiumはドコモから発売されたスマホで、在庫があるショップでは、一括0円で販売しているお店もあります。
もし、Xperia XZ premiumを一括0円という条件で、ドコモで契約できた場合、nuroモバイルとどちらがお得となるのでしょうか?
具体的に、計算をして比較してみましょう(nuroモバイルの10分かけ放題プランに合わせて、ドコモのカケホーダイライト5分かけ放題でデータ容量3GBのプランで計算してみると、
〇ドコモ:132,000円【(2年間の利用料:6,000円/月(カケホーダイライト+パケットベーシックパック/ステップ2・3GBまで+spモード)×24回】+端末代(新規一括)0円=144,000円(税込)
〇nuroモバイル:52,800円【(2年間の利用料1,600円/月(データ量3GBの音声プラン)+10分かけ放題800円/月×24ヶ月】+67,800円(一括購入)=125,400円(税抜)、税込価格だと135,432円
2年間で、nuroモバイルのほうが8,568円お得となるという結果となりました。
あくまで、Xperia XZ premiumを一括0円で、ドコモで契約できた場合の話ではありますが、2年間で8,568円の差額だと1ヶ月で357円の差額ですので、通信速度の快適さと全国にあるドコモショップでのサポートを考えると、ドコモの方が良いのではないか?という判断もできますので、nuroモバイルのXperia XZ premiumがお得かというと微妙となります。
6. まとめ
今回は、ソニーの格安SIM・nuroモバイルについてお伝えしました。
どの格安SIMでもそうなのですが、通話料まで入れると大手3キャリアと比べると、そこまで安くならない可能性が高いというのが、格安SIMの一番のデメリットです。
音声通話をほとんどしない人や、通話はLINEなどのデータ通信を利用するものしか利用しないという人には、格安SIMへの切り替えで節約効果はかなり期待できます。
また、他の格安SIMと同様に通信速度が大手3キャリアと比べると遅いですし、平日昼休みの時間帯に関しては、まともにデータ通信を行うことすら困難な状況となります。
これらの格安SIMのデメリットは、nuroモバイルも該当することですので、契約前に検討した上で契約することが必要ですね。
ソニーの格安SIMということで、格安SIMの中で唯一、SIMフリー版のXperia(Xperia XZ premium)を取り扱っていることが一番の特徴なのですが、実は、それ以外にはソニーの格安SIMならではというものがありません。
極端な話、SIMロック解除済みのau版のXperia XZを中古品で購入し(中古品に関しては総じてドコモ版よりau版のXperiaやgalaxyの方が安く入手できる)、通信速度に定評のある格安SIM・UQモバイルのSIMカードを刺して使うという方法も、かなりお得でおすすめです(au系格安SIMであるUQモバイルでau版のXperia XZなどのAndroidスマホを利用する場合もSIMロック解除が必要です)。
そうなると、あえてnuroモバイルを選択する必要があるのでしょうか?
やはり、1日5時間高速通信が利用可能となる時間プランに興味がある人や利用スタイルがマッチする人のみが、nuroモバイルをおすすめできるということになると思われますね。