Huaweiのスマホは本当に危ないのか?

 


1. Huaweiスマホはなぜ危ないと言われているの?

 

昨年、スマホで有名な中国通信機器大手ZTE社がイランや北朝鮮に対し、通信機器を違法に輸出していたという理由で、米国企業によるZTEへの輸出を7年間禁止するという制裁が科され、その制裁を解除してもらうために多額の罰金と別途米国政府への供託金4億ドル(日本円で約450億円)の搬出を余儀なくされたという事件があり話題となりました。

 

その後、米国と中国の貿易摩擦が関税アップの応酬などにより激化し、その過程で今度は同じくスマホルーター端末や携帯基地局の設備で有名な中国・Huaweiテクノロジー社が米国内で不正なスパイ行為を行っている、よって米国内の5Gのインフラ整備においてHuaweiテクノロジー社を排除する、また米国の同盟国にも同様の対処を強く求めています。

 

いまだに米国と中国の貿易摩擦は解決されておらず、貿易交渉も前進がみられるという報道が度々されるものの完全な合意には至っていません。

しかし、英国やドイツなど欧州の国の一部は、5Gのインフラ整備でHuaweiを除外することはしないという決定を下すなど緩和した部分もありますが、いわゆるHuawei外し、Huaweiバッシングも未解決のままとなっています。

今回、Huaweiが情報を不当に抜き出すなどのスパイ行為をやっているという疑いがあるという点と5Gのインフラ整備にHuaweiが関与するとスパイ行為がやりたい放題となる(5Gはより多くのものがネットワークにつながることにより国防など重大事案に関わってくるなどの多大なるリスクがある)という点で米国が問題視しています。

米国によるHuaweiへの疑念は、実は今に始まったことではなく、オバマ大統領の時代から始まっており、2014年の時点で米国政府と契約がある米国内企業に対してHuawei製の製品の使用を禁止しています。

一方、日本国内においては、現時点ではスマホルーターといった個別の端末に対しては、Huawei製のスマホルーター端末は排除するべき、使用を禁止するとまではなっていませんが、ここ数ヶ月のHuaweiに対する報道により、日本国内でもHuawei製のスマホなどを敬遠している人が増えていっているという状況です。

はたして、Huaweiスマホを使っていると個人情報など各種情報を抜き取られてしまうなどのリスクがあり、本当に危ないのでしょうか?


2. Huaweiスマホのメリットとデメリット

 

 

まず、Huaweiスマホのメリットとデメリットについてまとめてみたいと思います。

 

〇メリット

・とにかくコスパが良い
・上位モデルから下位モデルに至るまで全てのクラスで値段の割に高性能
Androidスマホの中では性能はトップクラス
iPhoneに匹敵するほどの動作感覚(いわゆる、ぬるぬるさくさく)
Huaweiスマホより高額なiPhoneより性能が優れている点が多々ある
・カメラがとにかくキレイ(特に上位機種のLeica社とのコラボモデル)
・ケーブルと電源以外にも透明なTPUケースが付属してあり、画面にフィルムも貼ってあり、別途ケースなどを買わずともすぐに使える
・全てのモデルではないが、昨年からドコモ・auソフトバンクがそれぞれキャリアモデルとして販売し始めた(キャリアのアフターフォローが期待できるので安心して買えるようになった)
・これだけ叩かれていても価格.comスマホランキングでは上位独占が長らく続いている

 

〇デメリット
・いわゆるバックドアが仕込まれているなど情報が抜かれているのではないかという不安
・戦争などの有事際は、中国政府から指示・命令があれば中国企業は無条件であらゆる情報を中国政府に差し出さなければならないという中国国内の法律があるので不安
・人によっては中国企業中国企業製のスマホに嫌悪感や違和感を覚える人がいる
SIMフリー版に関して、故障時などのアフターサービスが不安

Huaweiスマホは、とにかくコスパが良く、下位モデルから上位モデルに至るまで、それぞれのランクの中で圧倒的にコスパが良くお買い得であるという点が最も大きな特徴です。

特に、カメラに関しては、3年前のモデルP9からカメラで世界的に有名なメーカーLeica社とのコラボが始まり、スマホのカメラでありながら一眼レフ並みにキレイに写真がとれることで人気が上がってきました。

昨年の2018年モデルの上位モデルMate20 proはトリプルレンズカメラを採用し、よりキレイな写真がスマホで手軽に撮れるになり、ついにデジカメは不要になったと言われたほどでした。

また、Huaweiスマホの上位モデルのカメラは、夜景がとにかく鮮明にキレイに撮れることでも毎年新型が発売される度に話題となっています。


ここで、昨年2018年モデルのミドルクラス同士であるHuawei P20とApple iPhone XRで同じ被写体を撮った写真を並べて比較してみましょう。

iPhone XR
 

 

 

 

 


〇P20


 

これらの写真は、同じ時間に同じ植木を撮影したもので、設定はiPhone XRは特になし、P20はAIを有効にし、そのまま撮ったもので、2枚とも画像サイズを縮小しただけの編集をしたものです。

色合いなどの編集・加工は一切しておりません。

もう見た瞬間、P20で撮った写真のほうがより明るく鮮明で、植物らしく生き生きとした仕上がりとなっていますね。

また、人気ランキングについても前述のとおり、価格.comスマホの人気ランキングにおいて、2019年4月下旬の時点で、1位と2位をHuaweiが独占している状況となっています。

 

特にランキング1位のP20 liteは昨年2018年6月に発売されたHuaweiのPシリーズの下位機種で発売当初は3万円台、最近ではランキングの画像にあるように2万円を切る価格での販売となっています。

 

さらに2019年3月には、格安SIMのキャンペーンにより、新規契約が条件で一括800円という強烈なキャンペーンもありました。

ここまで安いのに、スマホ端末自体の質感も悪くなく性能も中位機種に迫るほどのもので、カメラもLeicaモデルではありませんがダブルレンズカメラを採用しており、充電端子も中位機種以上でなければ搭載されていないUSBタイプCとなっています。


3. Huaweiスマホを使う上での注意事項

 

 

さて、ここまでHuaweiスマホの良い点を多くお伝えしてきましたが、今回の記事の本題であるHuaweiスマホは大丈夫なのか?という点について考察してみたいと思います。

結論からいえば、現在、トランプ大統領をはじめとする米国政府が批判しているスパイ行為等については、実はその証拠が示されていないことからも真偽は不明であるため、「確実に危険である」と断定できない状況なのです。

逆に、「まちがいなく安全で大丈夫だと100%言い切れる」とも言えない状況であるともいえます。

よって、Huawei製のスマホを利用することで不安感を覚える人や気になる人は、Huaweiスマホは使わないほうが良いでしょう。

特に、ネットバンク決済やFX・株式トレードなど、スマホ上で多額のお金を操作するという方は、以前から情報の管理に定評のあるiPhoneを利用したほうが良いと思われます。

とはいえ、前述のとおり、非常にコスパに優れ、カメラがスマホ最強と言われているHuaweiスマホを利用したいという人には、Huaweiの独自アプリや独自機能の使用を控えておくことをおすすめします。

Huaweiの独自アプリや独自機能を利用するためには、「Huawei ID」というHuawei独自のアカウントを作成する必要があります。

 

実は、昨年発売されたHuaweiAndroidスマホのキャリアモデル(ドコモ版のP20pro、au・ワイモバイル版のP20 lite、ソフトバンク版のMate20 pro)に関しては、Huaweiの一部の独自機能を無効にしてあり、さらにHuaweiの一部の独自アプリがインストールされていませんでした。

また、キャリアモデルであるだけにDSDS機能(SIMカードを2枚刺すことができ、かつ2つの電話番号の回線を同時待ち受けが可能である機能)があったP20 proとMate20 proは、ドコモ版のP20pro、ソフトバンク版のMate20 proではいずれもSIMカードが1枚しか刺せないようになっており、DSDS機能も無効にしてありました。

このことからもHuaweiSIMフリーAndroidスマホを利用する場合においても、キャリア版では無効にされていた独自機能・アプリは使わないほうが良さそうです。


4. まとめ

 

 

今回は、Huaweiスマホについてお伝えしてきました。

実は、スマホというものは、手のひらサイズのモバイル通信機能・電話つきPCであり、かなり多機能にわたっていることは多くの人が知るところですが、モバイル通信機能つきのPCだけに本当に情報が漏れていないのか?はっきりいってほとんどの人には判断できかねる部分です。

よくある詐欺メールやア詐欺プリによって、情報を盗まれたということはザラにあり、ひょっとしたら、情報管理の鉄壁さがウリのiPhoneに関しても本当のところは大半の人にはわからないのです。

つまり、スマホを利用するということは、Huawei製のスマホ以前にそもそもリスクがあることなのです。

実際に、安倍首相も安全上の理由から、いまだにガラケーを利用されていますね。

少なくとも、スマホを利用するということは常に情報漏洩のリスクがあるということであり、Androidスマホを利用する場合は、必ずウイルス対策アプリをインストールし利用するなどウイルス対策をやった上で、自己責任で利用すべきものです。

Huaweiスマホの話に戻りますが、今年の6月にも実現するのではないかと言われている米国と中国の貿易交渉の合意が本当に実現し、Huawei製の製品についても特に問題なしという話になれば、日本国内でもコスパの圧倒的な高さと今のところ唯一のLeicaとのコラボモデルという強みに関心が向き、今以上により一層売れまくると事態となる可能性もあります。

いずれにしても、Huaweiスマホは下位~上位モデルに至るまでコスパが非常に優れており、優秀な機種であることにはまちがいありませんね。